ファクタリングという言葉を聞いたことがあるでしょうか。企業が所有している売掛金、即ちサービスを提供することや製品を販売することなどで発生する支払いが見込まれる企業の未収入金を、ファクタリング会社が買い取る事で早期に資金化して企業に資金提供できる仕組みです。ファクタリングは医療分野の業界では広く知られています。近年は介護業界にもこの仕組みが広がりつつあります。
介護業界でもファクタリングが活用されるようになった理由はなぜでしょうか。サービス提供事業所(以後事業所)の収入は大半が介護報酬に依存しています。報酬以外に事業所が得る収入として、入居施設の居住費や食費などがありますが、その費用は主に実費として使用されます。この為に、事業所の支出金として大半を占める人件費などは、報酬によって賄われています。
サービス利用者が支払うサービス費用は自己負担分のみであるため1割程度になっています。事業所の主な収入になる残り9割程度の介護報酬は、事業所が国民健康保険団体に請求を行う必要があります。報酬の請求方法は、1か月間実際に提供したサービスを月末に確認し、実施されたサービスの単位総数を翌月に国民健康保険団体に請求します。請求内容に不備がないかを確認後サービス提供が行われた翌々月に報酬が入金される仕組みです。
高齢者の増加により介護サービス事業所は増え続けています。オープン当初はサービスの提供が始まってもすぐに収入を得ることが出来にくい仕組みなのです。運営母体が小さな法人や個人経営の場合も多く資金力が弱い場合も少なくありません。その為に早期に資金化が出来るファクタリングが活用されているのです。